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雑談の時間/吾輩は漱石である [講座]

 助詞「は」と「が」

 吾輩は漱石である
 吾輩が漱石である
 どちらが正しいか、というとどちらも正しい。では、漱石先生なら、どちらをとるか。ウム? 「は」と「が」、そんなこと考えるのはバカらしい? が、考えなければ気が済まないという人に。「が」は格助詞で「は」は副助詞(係助詞とも)。素っ気ない答えである。大野晋(国語学者)の説は、最初に話題を示すときに「が」を用い、その後は「は」を用いることが多いことから、「が」は未知の情報を示し、「は」は既知の情報を示す、という。たとえば、「山『が』あるから登る。その山『は』高いほどよい」とつかう。ところが、初めに「は」をつかう例もある。たとえば、「象『は』鼻『が』長い」など。これについて作家の井上ひさし(故人)が、「は」はロング(遠景)、「が」はアップ(近景)だと、おもしろい見方をしている。大主語「は」対小主語「が」ともいえる。
 あなたはだれだと聞かれて、「私が三四郎だ」とは普通答えない(状況によっては答えうるが)。そこで表題に戻って、「吾輩は」「吾輩が」、どっちにする? <了>

休憩1.JPG


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