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《トピックス》~記述式入試~

記述式入試、〇か✕か~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 お上(政府)が入試の問題で右往左往している。迷惑をこうむるのは受験生諸君です。
 国語と数学を<記述式>に統一するという目論見は、先般また白紙に戻されました。技術的に難しいと各方面から難色を示されたからだそうです。いえ、〇✕式のように効率的でないから、うまみがないからでしょう。以上は全国テスト、おもに国公立の一次試験の話で、二次試験や私立では昔から記述式がありましたよ。私も予備校で小論文を担当し早稲田模試や慶応模試に携わり、また記述の問題作成もしてきました。この「文章講座」は中学生にもわかるようにしていますが、文章力の養成は中学から、あるいは日常から行わなければ意味がありません。それは単に入試用の付け焼刃ではなく、表現力を中心に感性をも育て個性豊かな人間教育のためでもあるからです。受講者の皆さんの健闘を祈ります。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(講師)

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続・表現のテクニック Ⅳ~Ⅵ [講座]

 Ⅳ 諷喩
 <寓喩>または<アレゴリ>とも呼ばれます。比喩のところの例でいえば、「炎」の語がそのまま「情熱」を表す。つまり、比喩する語(炎)と比喩される語(情熱)を文字の上で結ばなくても、炎だけで情熱を「ほのめかす」という技法です。
 また<風刺>や<皮肉>の表現にも多く、「サルも木から落ちる」など、ことわざや格言にも用いられています。さらに、「イソップ物語」のように、作品全体が諷喩になっている場合もあります(昔話など)。他に<象徴(法)>も同じ手法です。

 Ⅴ 声喩
 いわゆる<オノマトペ>と呼ばれるもので、次の2つに分けられます。
 ❶擬声語 ものの音を感覚的に模写する(「擬音語」とも)。
 《例》ドンドンと戸を叩く。 風がヒューヒュー鳴る。
 ❷擬態語 ものの動作や状態を、いかにもそれらしく短い語で表す。
 《例》のろのろと歩く。 雪がふんわり降ってくる。

* 便宜上、❶をカタカナに❷をひらがなにしました(以前はそういう「きまり」があったのですが、必ずしも守られていませんが、私は両仮名の特徴がよく表れているので区別して表記しています)。
しかし、「どたばたと忙しい」「サラサラ流れる」のように、どちらの仮名にするか迷う場合があります。それは、状態を表す語でも音声的な感覚をもつ場合です。「ドタバタ」「さらさら」としても一向に差し支えありませんよ。

 Ⅵ 倒置(法)
 文の成分(主語・述語・修飾語など)の位置(順序)を入れ替える表現法。「黒い物体が落ちてくる」という文は、主語+述語ですが、「落ちてくる、黒い物体が」と述語+主語にすると、「黒い物体」を強調したり印象付けたりすることができます。「落ちてくる黒い物体」といえば、<体言止め>になります。他の成分でも倒置はあります。
 《例》「物体だよ、黒い」(述語+修飾語)「黒い物体です、はい」(修飾語+述語+独立語)

 Ⅶ 対句(法)
 対になる語、対になる節や文、対になる部分を並べて、ある効果を表現したりリズム感を生み出したりします。
 《例》「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降り積む 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降り積む」(三好達治の詩より)の場合、「太郎」と「次郎」が対句になっていますが、文脈の前後も繰り返しになっていますね。これを<リフレーン>といい詩ではよく用いられます。これによって読者は思い思いに想像することができます。太郎と次郎は同じ家にいるとか、いや隣り合っているとか。

 以上で「修辞法—テクニック」は終わりますが、文章はあくまで内容が第一なので、テクニックや形式にこだわることなく自分流を貫くのも一つの方法です。また、最近は活字媒体以外の分野が発展して、そこには奔放な表現や意外性のある表現もよく見られます。人の手になる文章は人の数だけ表現があるといってもいいのではないでしょうか。(この項終わり)

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