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(主題から推敲まで) [講座]

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① 主題と構想
 これは書く前から考えることです。したがって、あなたも「なにを」書くのか、いちばん書きたいことを「下書き」し、または「メモ」します。主題をもつということは、常から自分の考えをもったり、生き方を考えたりするところから生まれるもので、付け焼刃(その場の思い付き)では、優れた読み手(採点者など)にはすぐ見破られます。
 中学・高校生には、いますぐ主題をもてというのは酷ですが、少なくとも、与えられた課題を前にしたときは、その課題のうち「なにを中心に」書くのかを決めなければなりません。それが決まれば、その主題に沿った考えが巡ってきます。それが構想です。ああでもない、こうではないか、などという内心の言葉をフローチャート(考えの流れ=フロー)で図示またはメモしておきます。

② 材料と取材
 書くためにはその基になる「材料」「資料」「道具立て」が必要です。これをネタといってもいいですが、話のネタなどと軽く扱ってはいけません。特に、小論文など説明的な文章では、「根拠」や「理由」がなければ、文章の説得力に欠けることになります。
 プロの書き手はネタ受けを狙い、とっておきの材料を探してきます。取材力のある作家に多いですが、学生の諸君はマネできませんし、してはなりません。むしろ肝心なのは、日ごろからの読書です。あるいは人の話をきいたり自分で調べたりして教養を深めることです。それらはみな「取材」に当たります。

③ 構成と叙述
 「構想」(考え)を形にするのが「構成」です。よくテレビの番組でも、構成だれだれというスタッフ紹介があります。いわば番組の進行表を作る人ということですが、文章作成もこの構成によって「はじめ・なか・おわり」の流れができ、叙述(書く動作)につながるのです。
 できれば「構成表」のようなものを作って、「何を・どのように」(主題と方法)書くのかを自身で納得するようにします。また長い文章を書く場合、構成表は前後の対応の確認(前後で矛盾していないかなど)にもなります。
 過去の著名な作家の書き込みノートなどが発見され、文章作りに苦闘するありさまが窺えたりしますね。あなたもせめて「下書き」の苦労を重ねてくださいね。

④ 最後に推敲する
 門を押したり(推す)叩いたり(敲く)するように、よりよい文章(間違いはないか、わかりやすいかなど)にしていくのが推敲です。一字一句見直す人や、ざっと目を通すだけの人など、書き手によってまちまちですが、慣れない人は、指で文字を追うように丁寧に見直してください。(詳しくは次章の「表記」編で説明します。)
 私は、どんな文章でも、たとえ手紙でも、下書きと推敲は欠かしません。相手に読まれたら取り返しができないから(笑い)、むろん、読者の前に編集者がいる場合は、書き直しができますが。推敲とはつまり、「書き手」から「読み手」の立場になることを意味します。
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